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リオネル・メッシを活かす選手

世界に国の代表には必ずエースと呼ばれる選手がいます。でもエースがいるだけでは試合には勝てません。どのような状態からでも一流のテクニックでボールをさばき、エースへとボールを回す選手が必要です。

これまで4度FIFAバロンドールに輝いたことのあるリオネル・メッシ。彼は所属するクラブチームFCバルセロナでは418試合に出場し383ゴールを記録(2018/6/1時点)しているほか、リーガエスパニョーラの年間最多ゴール数の更新、リーグ得点王、FIFAクラブワールドカップのゴールデンボール賞の受賞などとても輝かしい記録を残しています。

しかし、アルゼンチン代表でもあるメッシは、代表の方の試合ではそこまでの輝きを見せてはいません。

それはなぜか…答えは簡単です。代表の試合が行われる時しかチームメイトとコミュニケーションが取れず、試合でメッシが求めるパスを出す選手がいないからです。アルゼンチン代表にもヨーロッパのチーム、パリ・サンジェルマンFCに所属するアンヘル・ディ・マリアというMFがいますが、彼ではまだ役不足です。

アルゼンチン代表はメッシを中心としたチームを作りブラジルワールドカップやロシアワールドカップに出場していますが、ブラジルワールドカップでは決勝に行きながらもメッシが不発により優勝を逃す。ロシアワールドカップでは初戦からPKを外すなど不発に終わっています。いくらメッシを活かすためのチーム作りをしても、周りの選手がそのレベルにないとメッシを活かしきれません。

アンドレス・イニエスタ

国籍:スペイン     ポジション:MF

イニエスタはメッシと同じくFCバルセロナの下部組織からトップチームまで上がってきた選手で、FCバルセロナのリーグ優勝やUEFAチャンピオンズリーグ優勝、クラブワールドカップの優勝に貢献してきた選手です。

スペイン代表にはU15からずっと選出されており、2012年の南アフリカワールドカップではイニエスタが決勝戦で決勝ゴールを上げ、スペイン代表を初のワールドカップ優勝へと導きました。

プレースタイルは、試合の流れを読む能力に優れ、卓越した洞察力とボールコントロール力でゴールに繋がるファンタジスタなパスを放つ。小柄ながらも自身もゴールを狙うことのできる選手で、攻撃的なポジションならばどのポジションもこなせる稀な選手です。

FCバルセロナへの入団

イニエスタは、12歳の頃に守備的MFとしてFCバルセロナの下部組織に入団。しかし、その卓越したボールコントロール力やボールキープ力、類まれなるボディバランス力が評価され、攻撃的MFへとコンバートされます。その転向がピシャリとはまり、U15の大会ではチームを優勝へと導き、自身もMVPに選ばれました。

トップチームへの昇格

その後も着々と実力を伸ばし、18歳の頃にはFCバルセロナのトップチームへと昇格し、昇格したその月の内に試合に出場。

デビューからしばらくは途中出場が多かったイニエスタですが、2005~2006シーズン途中にスタメンだったシャビが怪我により戦線を離脱。その代わりにイニエスタがスタメンとなりました。クラブはそのシーズンにリーガ・エスパニョーラの優勝とUEFAチャンピオンズリーグ優勝の2冠を達成しました。

2008~2009シーズンには、チームの第4キャプテンに任命され、試合出場数も250試合を達成。名実ともにバルセロナの中心選手となりました。2009年にはスペインの年間最優秀選手にも輝きました。

スペインA代表への招集

FCバルセロナのトップチームへと上がった3年後の2006年、イニエスタはドイツワールドカップへ出場するメンバーとしてスペインA代表にも招集されました。招集から2週間後のロシアとの親善試合で途中出場でA代表デビューを飾ります。

しかし、ドイツワールドカップ本大会ではサブにまわり、出場したのはグループリーグ突破を決め控え選手主体で試合に臨んだ3戦目のみでした。

ドイツワールドカップが終わったあともスペイン代表に招集され、そこでレギュラーポジションを獲得しました。

2008年にオーストリアとスイスで共同開催されたUEFA EURO 2008では、予選でこそ体調不良で苦しみましたが、決勝トーナメントに入るとその実力をいかんなく発揮。準決勝のロシア戦では、決勝点へと繋がるセンタリングを上げ、その試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

決勝のドイツ戦でもその類まれなるパスセンスを見せつけ、スペイン代表を44年ぶりの優勝へと導きました。大会のベストイレブンにも選ばれました。

南アフリカワールドカップ制覇。そして黄金時代へ。

2010南アフリカワールドカップのヨーロッパ予選は怪我のために代表から外れていましたが、本大会のメンバーには周りの予想通りに招集されました。

本大会開始後は、レギュラーとして出場し、3試合目のチリ戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

決勝戦の対オランダ戦では、延長戦の末イニエスタがゴールを決めスペイン代表を初のワールドカップ覇者へと導き、自身も決勝戦のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

南アフリカワールドカップから2年後に開催されたUEFA EURO 2012は、南アフリカワールドカップの優勝メンバーが大半を占め、着々と勝ち進み危なげなく優勝。まさにスペインの黄金時代「無敵艦隊」でした。

イニエスタは、決勝戦の対イタリア戦を含む3試合でマン・オブ・ザ・マッチに選出されました。

ブラジルワールドカップでの敗退…

2014年に開催されたブラジルワールドカップにもスペインは出場。30歳となったイニエスタもメンバーに選ばれ大会に出場しましたが、予選リーグのうちに敗退が決定。

バルセロナでのキャリアを終え新天地へ

ブラジルワールドカップ後のリーガ・エスパニョーラ2014~2015シーズンでは、変わらずFCバルセロナの主力として活躍。チームはリーガ・エスパニョーラの優勝とコパ・デル・レイの優勝。そしてUEFAチャンピオンズリーグも優勝し、なんと3冠を達成。

2016~2017シーズンには試合出場数も400試合を達成。FCバルセロナに所属した選手としては史上2人目の快挙でした。

2017~2018シーズンの途中にイニエスタはFCバルセロナとクラブ史上初の生涯契約を結びました。しかし、シーズンの終盤にFCバルセロナを退団することを発表。新天地に日本のJリーグを選び、FCバルセロナのメインスポンサーでもある楽天がスポンサーを務めるヴィッセル神戸へと入団した。






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